砥石に灯油や研削油などの、油を染み込ませて使用する事から『油砥石』と呼ぶようになりました。油砥石はA砥粒からなり、各粒度範囲も広く砥石強度があり、形崩れが起きにくい特長があります。

 手作業主体の作業に適した形状が多数あり、広範囲で使用しやすい内容になっています。


▼油砥石に要求される品位

 ①汎用性 ワークに対して難しい選定をする必要がなくバリ取り、面取り、刃物研ぎなどの手作業で行う多種多様な研磨ができる事。
 ②耐摩耗性 A角砥石の面を使って研磨する場合や、三角スチック砥石で溝の面取り研磨で使用する事が多い為、砥石形状が崩れてしまうと作業に影響がでるので、減りにくい砥石である事。


▼油砥石の種類と選定

 ①粒度 作業内容に合わせて使い分けます。木工などでは極荒・荒目で面加工を行ったり、鉄工では中目 ・細目、機械のベッド研磨は極細が使われています。 これらは参考例で、油砥石の粒度は、作業者が使いやすい粒度を選んでいるのが現状です。 極細より細かい#2000までのA砥粒、Aスチック砥石は、金型の研磨や刃物の仕上げ研磨用として使用されています。
 ②硬さ 油砥石の欠点は砥石が硬いため、材質や用途の範囲に限界があり、軽作業に限られます。 作業性をよくする為に、軟口を選定する事で研削力をあげる事ができます。 逆に形崩れが起きてはいけない場合は硬口を選定します。 研削力は落ちますが、形崩れが起きにくくなります。
 ③形状 溝の底面研磨は四角スチック砥石、鋭角の隅研磨・溝入口の面取り研磨は三角スチック砥石、穴径の内面やカドの面取りは丸スチック砥石などワーク形状になじみの良い砥石形状を選定します。 
 ④油入り  アメリカ製のインディア砥石のように、油を含ませたタイプもあり、使用前に油を染み込ませる必要がありません。 そのままで使用しても滑らかな面に仕上がります。
当社は、油砥石に油を含浸させた「さくら」を製造しております。
詳しくは製品情報の「さくら」をご覧ください。


▼油砥石の面修正

形崩れをした場合には、次の方法にて面修正をすることができます。
  ①平坦な同じ粒度の砥石もしくは荒い砥石で擦り合わせます。
  ②ダイヤブリック砥石を使用する。
  ③コンクリートブロックや平坦な土間などに擦り合わせます。


▼研削油

油性の油砥石専用オイル「CHERRY OIL」を販売しております。


製品一覧(角)

極荒 荒目 中目
#80相当 #120相当 #180相当
細目 極細 コンビ(表:細目/裏:中目)
#320相当 #400相当 #320/#180 相当
※コンビは印字面が表となります。

標準寸法

4 イ ン チ 100x25x13
4.5インチ 115x38x16
6 イ ン チ 150x50x25
8 イ ン チ 205x50x25


結合度

  極 荒 荒 目 中 目 細 目 極 細 コンビ
特 軟 口        
軟   口  
標   準
硬   口
極 硬 口  
高 耐 久        


製品一覧(スチック)

四 角
三 角 楕 円
菱 型 半 丸
ク シ 型 円 錐


標準寸法

角・三角・丸 クシ型
100x6.4 100x25x6x2
100x9.5 115x45x6x2
100x13 115x45x9x3
100x16 115x45x13x5
150x50x13x5



 CHERRY OILは、油砥石と共にご使用いただく100%化学合成オイルです。
 粘度が安定している為、砥石の切れ味と潤滑性を維持しつつ、砥石の型崩れと目詰まりを防止します。また、油砥石特有のハードな作業に於いても油膜切れを起こすことなくご使用いただけます。金属に対する防錆効果も良好で、オイルとしては希少な指定可燃物となっております。
 塩素フリー、RoHS2対応であり、油特有の嫌な匂いもありません。
 油砥石にオイルを充分に含ませた状態でご使用ください。

※注意事項
1. 人やペット、食品には使用しないでください。
2. ご使用時には、保護メガネや手袋を着用してください。
3. 目に入った場合は、すぐに流水で15分以上洗い流し速やかに眼科医の診断を受けてください。
4.可燃性液体の為、取扱いにご注意下さい。火災の原因となります。
内容量 200ml   含浸方法(画像参照)
CHERRY OIL